セキュリティ特化のソフトウェア企業 国内外でシェア首位級
トレンドマイクロはセキュリティソフトの開発、販売を行う企業です。代表的な製品は「ウイルスバスター」です。一般的なソフトウェア企業は多様な製品を手掛けますが、トレンドマイクロはセキュリティに特化して開発しています。
セキュリティにおけるシェアはトップクラスです。国内では消費者向け16年連続、企業向け17年連続、自治体向け13年連続などいずれもトップシェアを長く維持しています。世界でも競争力が高く、クラウドセキュリティ部門は2022年まで5年連続で世界シェア首位を獲得しました。
単一の事業を展開するトレンドマイクロは、セグメントを地域で分けています。地域別の売り上げは日本が多い傾向にありますが、海外に由来するものも少なくありません。海外売上高比率は66%です(2023年12月期)。
【セグメント売上高(2023年12月期)】
・日本:830億円
・アメリカズ:576億円
・欧州:506億円
・アジア、パシフィック:574億円
※外部顧客に対する売上高
出所:トレンドマイクロ 決算短信
売り上げの過半を海外から得るトレンドマイクロは、円安で増収が期待できます。ただし、必ずしも利益に結び付くわけではありません。従業員の構成から、円安は費用の増加を招く傾向にあるためです。
トレンドマイクロの従業員は2024年6月時点で7053人です。うち日本は854人で、全体の88%が海外に属しています。円安は海外従業員の人件費を増加させることから、利益には下押し圧力として働くことが想定されます。