平均価格の高さ、実は“億ション”が影響していた!

新築分譲マンションの平均価格が、1億円を超えている東京。ただし、これほど高くなるのは“カラクリ”がある。

注目したいのが“中央値”だ。データを大きさ順に並べたとき、順番が真ん中になる値を指す。この“真ん中”というのがポイントである。

平均値は、全てのデータを足し合わせて求める。そのため、極端な数値の影響を受けやすい。例えば、「2000万」「3000万」という数値が並ぶ中、「1億」といった並外れて高い数値があると、平均値が底上げされてしまう傾向があるのだ。

一方の中央値は、 ちょうど真ん中の値であるため、極端な値の影響は受けにくい。そのため、比較的、データ全体の特徴を把握しやすい値だとされる。

同調査が割り出した中央値価格は次のとおりだ。

出所:株式会社マーキュリー「2023年マンション価格動向」

全てにおいて「中央値<平均」となっている。特に差が大きいのが東京。平均だと1億円を超えていたが、中央値だと7620万円。約3千万円もの差がある。

中央値と平均値が大きく開いた理由として考えられるのが、高級タワーマンションの存在だ。

例えば、東京では「ザ・パークハウス三田ガーデン レジデンス&タワー」(港区)や「ワールドタワーレジデンス」(港区)などが、同じく大阪でも、「ブリリアタワー堂島」(大阪市北区)や「梅田ガーデンレジデンス」(大阪市北区)など、高額で大規模な物件、いわゆる「億ション」の建設が相次ぐ。これら「億ション」の供給がどうやら平均価格や坪単価を大きく押し上げている要因になっているようである。