新NISAは枠を使い切らなくても意味がある
資金をできるだけ早く投じることには一定の合理性があります。ただし、必ずしも新NISAの枠を最短で使い切る必要はありません。
先述の通り、利回りがプラスなら利益は運用期間に比例して大きくなります。これは、新NISAの枠を使い切らなくても同様です。早く資金を投じれば運用期間が延び、利益が大きくなることが期待できます。
つまり、新NISAは投資枠を最短で使い切るばかりが成功の道ではありません。5年の投資額が1800万円未満でも、投資額に応じた利益が期待できます。未使用の投資枠が生じても、制度を活用する意味は十分にあるといえるでしょう。
そもそも、5年で1800万円の投資ができる人は少数派だと考えられます。新NISAは2024年6月末までの投資額が10兆円を超えていますが、1口座あたりの平均は42万円ほどです。
投資額は、自身の投資計画に基づいて決定しましょう。目標の金額や時期を設定し、そこから逆算して投資額を決定します。新NISAの投資枠を埋める目的で決める必要はありません。
新NISAは、年間投資額にかかわらず、誰でも累計1800万円まで投資できます。年に360万円を投じれば5年で使い切ることができますが、年100万円の投資で18年かけて使い切っても構いません。また、1800万円の投資枠を使い切る必要もありません。
制度に引っ張られず、身の丈に合った投資計画を立てるようおすすめします。
投資額は無理のない範囲で設定しよう
投資では、無理のない範囲で行うという視点も大切です。家計の能力を超えた投資は、あとから解約や出金を誘引します。この場合、かえって運用期間を短くしてしまうこととなります。
新NISAの投資額は、家計の収支や貯蓄などから、無理なく運用を続けられる範囲で決定しましょう。