6年ぶりの大型IPO案件は期待できる?
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)の株式が上場されました。初値は1630円。公開価格が1株1200円だったので、上場初日始値は、それを35.83%上回る順調な滑り出しとなりました。
東京地下鉄は、東京23区の地下鉄を運営する目的で1941年に設立されました。設立当初の社名は「帝都高速度交通営団」です。営団は官民共同出資による組織形態で、設立当初は官民共同出資の形態をとっていましたが、1951年に民間資本が排除され、日本政府が53.4%、東京都が46.6%の比率で出資する形になりました。
その後、持株比率はそのままで2004年に民営化され、社名を現在の東京地下鉄株式会社に変更して現在に至っています。
そして、民営化から20年を経て今回の株式上場となりました。
今回の株式上場によって、発行済株式の保有割合は、日本政府が26.7%、東京都が23.3%に、それぞれ半減されます。それでも日本政府と東京都を合わせて50%の持株比率を維持したのは、有楽町線と南北線の延伸を支援するためとされています。ちなみに今回の上場による売出総額は3486億円で、公開価格に基づいて計算された時価総額は約7000億円になります。
まぎらわしい!? 「仮条件」「公開価格」「初値」は何が違う?
ところで株式の上場には複数の株価が存在します。具体的には「仮条件」、「公開価格」、「初値」です。混乱しやすいので簡単にまとめておきましょう。
まず仮条件ですが、東京地下鉄の場合は1100~1200円でした。新規上場株を手にするには、まず抽選に申し込まなければなりません。この時、「私はいくらで申し込む」ことを決めるのですが、その際の株価を仮条件の範囲で決めて申し込みます。
抽選が終わると公開価格と抽選結果が決まります。東京地下鉄だと公開価格は1200円ですから、当選した人は1株1200円で買えます。証券会社に購入代金を払い込んだら、あとは上場初日を待つだけです。