カン違いしやすい条件の「盲点」を理解しよう

「106万円の壁」の拡大により社会保険に入れるのはどんな人なのか。下記、図で紹介するのがクリアすべき5つの条件です。すべて満たすと、社会保険に加入できます。

 

①の「週の労働時間が20時間以上」は契約に基づいた勤務時間を指し、残業などを含む実際の勤務時間ではありません。

②の「月額賃金8万8000円以上」も同様です。契約に基づく賃金(時給×時間数)が前提になります。例えば契約上、時給が高く週18時間勤務で月額賃金8万8000円を超えるケースや、逆に時給が低く週24時間勤務でも月額賃金8万8000円に満たないケースは対象外です。

④の雇用期間は「2カ月以上」と以前より短くなり、条件が緩和されました。

⑤の社会保険が適用される企業の社員数も「501人以上」から「101人以上」と変更され、2024年10月からは社員が「51人以上」となります。ただし、社員数は原則「社会保険に加入しているフルタイムの社員数」で判断されるので注意しましょう。

「106万円の壁」といっても、数字に意味はありません。あくまでも勤務先との勤務時間や賃金等の契約内容が問われます。基準の月8万8000円を年収換算すると約106万円になるため、「106万円の壁」と称されます。

●第2回は【負担だけ増えて働き損⁉ 「106万円の扶養の壁」を超えたらどうなるの?】です。(10月15日に配信予定)

「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント

 

著者名 塚越 菜々子

発行 東京ニュース通信社、発売 講談社

価格 1,650円(税込)