自分自身が納得した投資スタイルで投資を行うことが大事
人と同じことをやっていると「安心」は得られるでしょうが、安心が必ずしも自分自身に合った投資スタイルとは限りません。中・長期の資産形成では株価の急変を避けることはできませんが、急変に伴うストレスを軽減できることはできるはずです。それは人に合わせるのではなく、自分自身が納得した投資スタイルで投資を行うことです。
例えば、つみたて投資に一発逆転はありません。ブレずに地道にコツコツと続けて行くことが最も大切になるのです。その際、無理な金額でつみたてを行っていないかも重要な要素。無理な金額で始めてしまうと途中で挫折するケースが多々あるため、最初は少額で!慣れたら徐々に投資資金を増やして行くようにしましょう。
新NISAの非課税投資枠は「生涯投資枠」で管理されていることから、早めに非課税投資枠を使い切ろう!などと慌てる必要はないのです。徐々に積立額を増やして行くステップアップ方式で継続するのが良いはずです。
ある程度まとまった資金で投資を行うなら、ただ単に時間分散を行うのではなく「一定以上下落したら買い付けを行う」など一定のルールに基づいて徐々に買い付けを進めていくのです。かつての日本銀行、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などは下落局面で一定のルールに基づいて買い付けを行った(行っている)から多額の含み益を得られている(=投資で成功している)のです。
「継続は力なり」、慌てず騒がず腰を据えて投資を継続しよう
投資(資産形成)は中・長期で資産の山を築いていくもの。長い投資期間中には株価の急落などはつきものと認識すべきです。世界経済の成長が続く限り株価は上昇していくと考えられるため、「継続は力なり」と肝に銘じて大きな果実を得られるように腰を据え、慌てず騒がず投資を継続していきましょう!
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 氏
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴36年(2024年4月現在)。1996年に独立、2006年に有限会社ファイナンシャルリサーチ設立。メディアやセミナーを通じて資産運用ほか住宅ローンや生命保険、税金や年金などの相談業務や啓蒙を幅広く行っている。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながらテレビ、ラジオにも多数出演。著書:『1万円から始めるETF投資』(日本経済新聞出版社)、『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』(ダイヤモンド社)など多数。