積立投資なら「下落局面ほどお得」に購入できる
行動経済学によれば、人間は、得る喜びよりも失う悲しみの方が2倍強く感じると言われています。下落に敏感に反応してしまうことは仕方のないことですが、長期目線で積立投資を実践している場合、短期的な下落はむしろ歓迎すべきです。スーパーの特売日のように、基準価額が下落したときほど投資信託を「お得」に購入できるためです。
こうした発想の転換こそが、長期の積立投資を成功させる秘けつです。なお、積立においては、右肩上がりで上昇を続け得る銘柄を探す必要はありません。むしろ、低迷期にも積立を続けてさえいれば、積立開始時まで価格が戻らなくてもリターンを期待できるのが良い点です。
また、「S&P500」や「オールカントリー」に投資していた日本の投資家は、2021年ごろから加速した円安によって、知らず知らずのうちに為替差益を享受できていました。足元では過度な円安が多少是正され、これらの投資信託にも逆風が吹いたわけですが、冷静に考えれば今までが「良すぎた」とも言えます。長期投資を実践する上では、時に現在の状況を客観視することも大切です。