純利益8期ぶり最高益 金利に依存しない収益づくりが奏功
次に足元の業績を紹介します。
直近の2024年3月期は快走でした。経常利益と純利益はいずれも前期比で1割超の増益です。純利益は8期ぶりに過去最高を更新し、2025年3月期を最終とする中期経営計画の目標値(300億円)を1年前倒しで達成しました。
【群馬銀行の業績(連結、2024年3月期)】
・経常収益:2003億円(+13.5%)
・経常利益:437億円(+14.3%)
・純利益:311億円(+11.4%)
※()は前期比
※参考(連結):コア業務粗利益902億円(-2.3%)、コア業務純益380億円(-5.4%)、投資信託解約損益除くコア業務純益454億円(+13.7%)
増益の要因の一つが非金利業務利益です。非金利業務利益は法人役務や預かり資産から生じる手数料などで構成されます。
非金利業務利益は連結で31億円増加しました。これは投信解約損益を除いた資金利益の増加分23億円を上回る水準です。特に法人役務収入が好調で、販売用不動産融資やシンジゲートローンに関連する業務が利益を押し上げました。
群馬銀行は長く続いたマイナス金利政策の下、非金利業務益の増強に努めてきました。非金利業務利益は5期連続で過去最高を更新しています。好調な業績は金利に依存しない体制づくりが奏功した結果といえるでしょう。なお、増益は有価証券関係損益や与信費用の改善も影響しています。
今期の2025年3月期も増益の計画です。非金利業務利益も増加を見込みますが、今期は資金利益の方が伸びる予想で、増加幅はそれぞれ18億円と80億円です。投信解約損益除く資金利益は46億円の増加を予想します。
【群馬銀行の業績予想(連結、2025年3月期)】
・経常収益:非開示
・経常利益:515億円(+17.6%)
・純利益:350億円(+12.4%)
※()は前期比
※参考(連結):コア業務粗利益1000億円(+10.8%)、コア業務純益460億円(+21.0%)、投資信託解約損益除くコア業務純益500億円(+10.1%)
また、群馬銀行は2028年3月期を最終とする次期中期経営計画も公表しています。純利益500億円を目指す計画で、貸出金および有価証券を平均年率3%台半ばで積み上げます。特に冒頭に紹介したストラクチャードファイナンスは重点領域で、平均年率40%の増加を目指します。
【次期中期経営計画の主な財務目標(連結、~2028年3月期)】
・コア業務純益:700億円(380億円)
・資金利益:935億円(734億円)
・非金利業務利益:320億円(242億円)
・純利益:500億円(311億円)
・ROE:8.0%(5.7%)
※()は2024年3月期実績