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今週は株価暴落の背景メカニズムについて語る必要があったと思われます。まず、見たくもない、目を背けたくなるチャートから見ていきましょう。
日経平均のチャートを見ると、7月11日がピークであることがわかります。その後、株価は一気に下落しています。
このチャートとドル円のチャートを比較すると、ほぼ同じような動きをしているように見えます。ただし、ドル円は154円まで戻っていますが、日経平均株価はそこまで戻っていません。
ドル円チャートで最も重要なポイントは、7月11日にアメリカのCPI(消費者物価指数)が発表されたことです。その後、日本銀行がドル売り介入をしたのではないかと言われています。つまり、ドル売り材料が出たことが背中を押す形で円高が進み、157円台まで上昇しました。
その後、日本銀行の利上げ再開の噂が出て、円安に振れたというのが大まかなドル円の動きです。この動きは日経平均株価のチャートとも一致しています。
そして7月11日がピークだったのは日経平均だけではありません。半導体株価指数(SOX指数)も同様の動きを見せています。
7月11日がピークになった理由は、その前日の7月10日にTSMC(台湾積体電路製造)の月次売上が発表され、非常に良好な決算だったためです。しかし、7月11日のCPI発表を機に、市場の認識が変わりました。
これまでは消費者物価指数が改善されると株価が上昇していましたが、この日は逆に下落しました。これは、金融緩和の終焉が近いという認識が広がったためです。市場が初めて金利時代の終わりを実感した瞬間が7月11日だったのです。
実際、7月11日を基準にして日本とアメリカの長期金利の推移を見ると、興味深い点が浮かび上がります。アメリカの長期金利(青線)は7月11日以降、大きな動きを見せていません。日本の長期金利(赤線)も同様に、大きな変動はありません。つまり、日米の金利差は変わっていないのです。
長期金利の動きは以前から予測されていましたが、市場は金融緩和の終わりを感じ取ったのです。しかし、長期金利自体は大きく動いていないにもかかわらず、7月11日を境に為替が大きく動き、特に半導体関連株が強く反応しました。日本株も同様の動きを見せました。
さらに、AppleやMicrosoft、NVIDIA、Amazon、Alphabet(Google)、Meta、Teslaなど、いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型テクノロジー株も同様の動きを見せました。