「初めて」の感動が幸福度のコスパを高くしていた

「お金を払って幸せを買う」というと、なんとも味気ないように思えますが、実はこれ、大なり小なり日々の生活で繰り返していることです。

しかし、毎日のスーパーマーケットの買い物で感動したり、電気代の引き落としで幸福を実感したりする人はいません。それはもう日常になってしまったからです。

だとすれば、ときどき「幸せを買う」という根源的な感覚を意識してみましょう。先ほどの例でいえば「最初のビール一杯」「新作のスイーツの一口」のようなところからなぜ幸福を感じるのか、自分なりに考えてみるのです。

理由の1つは、「初めて」の感動がいつもの消費の満足にプラスされているからです。だからこそ、いつものビールやいつもの定番おやつよりちょっと、幸福度がアップします。

これを言い換えると、毎日繰り返している消費は満足度が減っていきます。連続して5本飲んだビールは、お気に入り銘柄であったとしても、最初の1杯目の感動は得られないわけです。

経済学的には限界効用逓減の法則、なんていいますがそんな言葉は覚えなくてもかまいません。要するに「1杯目のビールのほうが、2杯目のビールよりうまく感じる」「久しぶりに食べた新作スイーツは美味しく感じられる」ということを大事にしよう! ということです。

毎日の生活の中、自分で自分の幸せを上手に買おう

幸せをもっとたくさん手に入れることはできないか、日々の買い物からでも探してみましょう。そう考えるとスーパーマーケットのお買い物も、ルーチンワークではなくなります。

お菓子売り場、ドリンク売り場、特売コーナーなど、「初めて」がないか考えながら歩いてみます。すると、「いつもの商品」以外にもたくさんの選択肢があることに気付かされます。

自分で選択をする、というのもウェルビーイング的にはプラスです。自己決定権があるほうが、私たちは幸せをたぐりよせた感じがして、幸福度がアップすることが分かっています。

最近のコンビニやスーパーは、視点を変えてみると「初めて」だらけです。お店のほうも消費者に飽きが来て売り上げが下がる頃合いをみて、次の新作を投入し続けているからです。季節商品(フルーツなど)も旬の味覚を安く楽しむことができたりします。選択肢はたくさんです。上手に活用してみてください。

「試してみたけれど、美味しくなかった!」という失敗もときにはあります。でもこれも、ポジティブに考えてみましょう。なぜなら、「いつもの商品のセレクトは正しかった!」と確認できたわけですし、「いつもいい選択をしていた自分、賢い!」と前向きに考えられるからです。それに、「新作のアレ、ちょっとイマイチだったかなあ」なんて話題にできれば元が取れますよ!