キャッシュレス決済普及により、紙幣偽造はむしろ“コスパ”が悪く…

JR東日本がSuicaを導入したのが2001年のこと。

これによりプリペイド式電子マネーが一気に増え、直近ではQRコード決済がブームとなりました。経済産業省がとりまとめたクレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済(おもにプリペイド式電子マネー)、QRコード決済を合わせたキャッシュレス決済比率の推移は、2010年が13.2%でしたが、2021年には32.5%、2022年は36.0%、そして2023年は39.3%となっています。

ちなみに、2019年6月21日に閣議決定された「成長戦略フォローアップ」において、「2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す」となっていましたが、2023年のキャッシュレス決済比率が39.3%であることを考えると、残り1年半での達成は、ほぼ射程距離といっても良さそうです。

このようにキャッシュレス決済が増えれば、紙幣の偽造に必要とされる手間やコストが馬鹿らしくなります。日本のお札の偽造防止技術は世界最高とまで言われるくらいですから、偽造に成功するまでの時間、コストは相当なものでしょう。

そのような手間暇をかけるくらいなら、銀行やクレジットカード会社、あるいは通販会社をかたったメールを送り付け、IDやパスワードを抜き取った方がはるかに楽だし、コストも安価に抑えられるはずです。

偽造するよりもハッキング。これが最近の通貨関連犯罪の傾向と言えるのかも知れません。