富士通は2024年3月に1:10の株式分割を行いました。従来は投資に約250万円が必要でしたが、分割で約25万円から投資できるようになっています。
【富士通の分割権利付き最終日終値(2024年3月27日)】
・分割調整前:2万4780円(247.8万円)
・分割調整後:2478円(24.78万円)
※()は投資単位
この分割で新NISAでも富士通に投資できるようになりました。個別の株式も買える成長投資枠の年間投資可能額は240万円であり、分割前は最低投資額が枠を超えていました。投資単位が枠内に収まったことで投資できるようになっています。
個別の株式に投資するなら、その企業の状況も知っておきたいところです。
富士通はどのような企業なのでしょうか。同社の概要と、業績の推移を押さえましょう。また拡充された株主還元策も紹介します。
システム大手 ITサービス好調で株価も快走
富士通はITサービスの大手です。システムインテグレーションやクラウドといったサービスと、サーバーやストレージといったハードウェアが主な収益源となっています。ほかにパソコンや電子部品なども手掛けています。
【セグメント情報(2023年3月期)】
主な製品、サービス | 売上高 | |
サービス | システムインテグレーション、クラウド | 1兆9842億円 |
ハードウェア | サーバー、ストレージ | 1兆1323億円 |
ユビキタス | パソコン | 2860億円 |
デバイス | 電子部品(半導体、電池) | 3826億円 |
※旧・テクノロジーソリューションは2024年3月期からサービスソリューション、ハードウェアソリューションに変更
※デバイスソリューションを構成する新光電気工業は2025年3月期に所有株式の全てを売却する予定
直近の業績は以下の通りです。2023年3月期は主力のITサービスが好調で増収増益となりました。増益はコストの改善も貢献しています。今期(2024年3月期)も増収を見込みますが、進行中の事業再編や構造改革で費用が先行していることから最終減益を予想しています。
【富士通の業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 3兆5868億円 | 1827億円 |
2023年3月期 | 3兆7138億円 | 2152億円 |
2024年3月期(予想) | 3兆8100億円 | 2080億円 |
※2024年3月期(予想)は同第3四半期時点における同社の予想
投資家の評価は上々です。株価は2024年4月12日までの5年間で約3倍に上昇しました。