リーマン後で最高益が視野も株価が上がらない理由

冒頭の通り日本板硝子は中期経営計画「リバイバル計画24」の進捗中で、今期(2024年3月期)は最終年度にあたります。

今期の業績見通しは以下の通りです。売り上げは10%の増加、最終損益は2期ぶりの黒字を見込んでいます。営業利益は420億円を予想しており、達成すればリーマン後の最高(2019年3月期:369億円)を更新します。

【日本板硝子の業績】

   売上高   営業利益   純利益 
 2022年3月期 6006億円 200億円 41億円
 2023年3月期 7635億円 348億円 -338億円
 2024年3月期(予想) 8400億円 420億円 130億円

※2024年3月期(予想)は同第3四半期時点の同社の予想

出所:日本板硝子 決算短信(外部リンク)

大きく回復する日本板硝子ですが、株価は芳しくありません。第1四半期決算の公表時は値上がりが見られました。しかし中間決算と第3四半期決算の公表時は反対に売られる展開となりました。営業利益の進捗が鈍化していることが原因の一つだとみられています。

【営業利益の進捗(2024年3月期、累計)】
・第1四半期:146億円
・第2四半期:260億円(+114億円)
・第3四半期:321億円(+61億円)
※()は前四半期比

出所:日本板硝子 決算短信(外部リンク)

出所:Investing.com(外部リンク)より著者作成

投資家の関心は来期(2025年3月期)の見通しに移っているでしょう。見通しは今期の通期決算と合わせ、2024年5月10日に公表される予定です。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)