買収後に赤字頻発 株価は長期低迷

日本板硝子の業績は2008年3月期までは順調でした。ピルキントン買収で強化された欧州で建築向けや自動車向けが好調で、売り上げと利益は過去最高を記録します(出所:日本板硝子 株主通信(外部リンク)

しかし翌期から日本板硝子の苦戦が始まります。2008年9月にリーマンショックが起き、売り上げは急減しました。主力の欧州地域のほか、中国やブラジルなどの各地域で不振が相次ぎ、売り上げの減少は長期化します。

出所:日本板硝子 業績ハイライト(外部リンク)より著者作成

財務が痛んでいた日本板硝子にとって、売り上げの低迷は致命的でした。金融費用などを吸収できず、リーマンショック以降も大きな赤字をたびたび計上しています。最近は金利の上昇も金融費用を増加させています。ピルキントン連結から2023年3月期までに9回の最終赤字となり、累計の損益は大きくマイナスに偏っています。

出所:日本板硝子 業績ハイライト(外部リンク)より著者作成

株価も沈み込んでいます。リーマンショック後も日本板硝子の株式は浮上せず2008年末の5分の1以下の水準です。同業のAGC(旧・旭硝子)と比較すると、日本板硝子がいかに売り込まれているかわかります。

出所:Investing.com(外部リンク)より著者作成