シェアリングサービスの内容と問題点
シェアリングサービスとは、インターネットを介して、個々人が持っているモノやスキルなどをシェアするサービスです。自分が持っている空き家、空き部屋、駐車スペースなどの遊休資産を、それを使いたい人に貸し出すことによって利用料金の一部を受け取ります。最近は、さまざまな分野において、シェアリングサービスが増えてきました。
ただ、それにともなって貸し手と借り手の間でトラブルも増えています。
自分が持っている自動車を、マッチング会社を通じて借りたいという人に貸したところ、非常に乱暴な使われ方をしたとか、室内を汚された、車体に傷をつけられたといった話を、方々で耳にします。
トケマッチの場合、貸したモノが戻って来ないという、最悪の状態も想定されますが、なぜこのような事態が生じてしまったのでしょうか。
そもそもシェアリングエコノミーは、性善説にのっとったビジネスモデルです。
「貸した部屋はきれいに使ってもらえるはず」、「貸した自動車は丁寧に扱ってもらえるはず」、「貸した時計はちゃんと戻ってくるはず」という前提があるから、一定数の貸し手がいるわけですが、世の中、善人だけではありません。最初から悪意を持った人物なら、借りた車を貨物船に運び込み、そのまま他の国に売り飛ばすことを真っ先に考えるでしょう。
トケマッチも同じで、最初から盗むことを前提にするならば、借りた時計を中古市場に流してしまうことなど、容易に想像できます。
しかも、空き家、空き部屋、駐車場などの不動産をシェアするのであれば、そこを荒らされたとしても最悪、モノが持っていかれることはあり得ません。そもそも「不動産」ですから。
しかし、自動車や時計のような「動産」の場合、最悪の場合、盗まれることは十分に起こり得ます。しかも時計の場合、モノ自体が小さいので、悪意を持った人物なら、それを持って、容易に逃げられます。