「資産運用立国」を目指すべく、国からの指針が示され、各種メディアでも連日取り上げられている新NISA。資産形成層から富裕層まで、その関心は高い。そういった顧客と日々やり取りを重ねる各金融機関の販売現場はどのような状況なのだろうか。

資産運用への興味関心の高まり、非課税枠の大幅増額が要因か

図1にある通り、新NISA開始後の販売状況について、全体の約半数が「つみたて投資枠・成長投資枠ともに想定通り・または上回っている」と回答している。

図1 新NISA販売開始後の販売状況

理由としては、「NISAに対する関心度の高い顧客が増えた」「運用の必要性の機運の高まり、物価・相場の上昇、非課税枠の増加によるところが大きい」「ニュースや広告を見て、とりあえずやってみたいというニーズがある」という、国民全体の資産運用への興味関心度の向上と、非課税枠の大幅な増額という制度上の変更による結果だと捉える向きが多い。

これに加え、回答者の約8割を占める地銀・第二地銀ならではの意見として、「地方銀行の強みを生かし、日ごろから利用している地元の銀行を選択してもらえるよう、投資初心者にも分かりやすく情報発信を行った結果だ」という、地域に密着する金融機関としての矜持を示す回答者もいた。

一方、「つみたて投資枠・成長投資枠ともに想定より下回っている」と回答した読者も25%存在しており、その理由の筆頭には「ネット証券への顧客流れ」があげられる。「自行のラインアップが証券会社より劣るため」「新NISAに親和性の高い若年層がネットを好むため、ネットの使いやすさなどの面で魅力に欠けるのでは」など、商品ぞろえやネット環境の整備で、ネット証券や証券会社に劣後する状況を嘆く声が集まった。その他には、「投資未経験の顧客に資産運用の必要性と、運用資金の作り方をじっくり浸透させていかなければならない」など、顧客がきちんと理解する前に投資に踏み出す危険性を懸念する回答もあった。