3期連続最高益 日立はなにで稼ぐ?

グループ再編の効果が出ているのかもしれません。日立製作所は2023年3月期まで3期連続で過去最高益を計上しました。2023年3月期は本業のもうけを表す営業利益(調整後)が100億円ほど増加したこと、法人所得税費用が500億円ほど減少したことが純利益を押し上げました。

【日立製作所の純利益(2019年3月期~2023年3月期)】

出所:日立製作所 有価証券報告書

セグメント別業績を確認すると「コネクティブインダストリーズ」が大きく増益したことがわかります。エレベーターや分析・計測機器などの産業用機器、また家電や環境事業などを含む領域です。前期ではITサービスなどの「デジタルシステム&サービス」が最大の収益源でした。増益を受けコネクティブインダストリーズの営業利益が最も大きくなりました。

【セグメント営業利益(調整後)】

   2022年3月期   2023年3月期 
 デジタルシステム&サービス 2681億円 2743億円
 グリーンエナジー&モビリティ 382億円 732億円
 コネクティブインダストリーズ  2288億円 2805億円
 オートモティブシステム 587億円 696億円
 その他 234億円 153億円
(参考)連結合計 7382億円 7481億円

出所:日立製作所 補足資料

コネクティブインダストリーズ事業をサブセグメントまで掘り下げると「計量分析システム」が好調だったことがわかります。100%子会社の日立ハイテクなどが属する領域で、医療用の分析装置や半導体製造装置などが増益をけん引しました。

【コネクティブインダストリーズ事業のサブセグメント営業利益(調整後)】

   2022年3月期   2023年3月期 
 ビルシステム 674億円 798億円
 スマートライフ&エコシステム 250億円 209億円
 計測分析システム 587億円 924億円
 産業用デジタル 385億円 342億円
 ウォーター&エンバイロンメント  164億円 179億円
 産業用機器 335億円 406億円

出所:日立製作所 補足資料