予想もしない大損をする可能性がある
投資は自分のペースで始めることが大切です。あやしい金融商品に投資をしてしまうと、結果は大損する危険性が高いですが、たとえ真っ当な金融商品への投資であっても、やり方を間違ってしまったために後で大きな損をする可能性もあります。
「投資」は、自動車の運転に似ていると私は考えています。自動車はとても便利なものですし、社会にとっても欠くことのできない交通手段です。しかし、ときには不幸な事故で大けがをされる方や最悪亡くなられる方もおられます。
自動車を運転するとき、いきなり購入して路上に出る人はいないでしょう(そもそも明らかに道路交通法違反ですね)。最初は、教習所に通い運転に必要な知識を身につけ、運転の練習をし、免許を取得してから路上で運転を始めますね。「投資」も同じです。
いきなり投資を始めるのは、自動車を購入して無免許で路上に出るのと同じことです。その一方で、教習所に通うようにしっかりと勉強してから始めれば、投資も安全に実践することができます。
欠陥車を選んでしまえば、当然事故を起こす可能性が高いですが、正常な自動車に乗っていても運転に必要な知識やスキルがない場合は事故を起こすリスクが高い、自動車とはそういう危険な乗り物です。
投資の場合もまさに同じです。よくわからないままいきなり始めてしまえば、うまく使いこなすことができません。本来自分が取れる以上のリスクを取ってしまい、想定以上の損を出してしまうおそれがあります。金銭的なダメージであれば、また投資に必要な資金を貯めて再挑戦することもできなくはありません。
しかし、大損を出して負うのは金銭的なダメージだけではなく、精神的なダメージもあります。その後に投資に回せる資金を作ったとしても、投資はこわい、本当はやりたくないといったネガティブな感情というダメージが残っていれば、次の投資に二の足を踏んでしまうことになりかねません。
〈POINT〉
・どんなに勧誘されても、あやしい金融商品には絶対に手を出さない。
・免許もないのに車を買っていきなり運転する人はいない。投資も同じこと。
●第2回(お金を増やすためではない!? 富裕層が“投資を楽しむ”意外な理由とは…)では、投資のリスクレベルに基づいて考案された3つの段階について解説します。
『“こわい”がなくなる投資1年生の教科書』
佐藤彰 著
発行所 自由国民社
定価 1,540円(税込)