石油元売り会社はどんな仕事をしている?
石油元売り会社は、大まかに言えば海外から調達した原油をガソリンなどの石油製品に精製し、それを販売するビジネスを展開しています。このためタンカーや石油製品の精製工場といった大規模な設備を持つほか、広く販売するための大きな流通網も備えています。
また石油元売り会社は化学メーカーとしての面も持っています。原油は石油ガスやガソリンといった燃料に精製されますが、その過程で生まれる「ナフサ」はさらにエチレンといった基礎的な製品に分解され、誘導品(中間品)を経て多種多様な製品の原料に生まれ変わります。あなたの身の回りにも石油由来の製品がきっと見つかるでしょう。ちなみに出光興産は、エチレンでトップクラスの生産能力を持つ企業です。
【ナフサの主な用途】
出所:石油化学工業協会 石油化学製品はこうしてつくる
【エチレンの年間生産能力上位5社(2020年末時点)】
・出光興産:99万7000トン
・ENEOS:89万5000トン
・京葉エチレン:69万トン
・昭和電工:61万8000トン
・三井化学:55万3000トン
出所:石油化学工業協会 主要石油化学製品のメーカー別生産能力
このように石油ビジネスの裾野は広く、燃料の需要家である発電所のほか、他の化学メーカーの工場も石油精製工場の周辺に集積される傾向にあります。こうして形成される大規模な工業団地を「コンビナート」と呼び、原油を運ぶタンカーが利用しやすいよう沿岸部でよく見られます。