今は何で稼いでいる? 紡績企業の意外な収益源

富岡製糸場ができると日本の生糸産業は飛躍的に発展し、「東洋のマンチェスター」と呼ばれるほど紡績業が栄えました。昭和の初めごろには輸出額の70%以上を繊維製品が占めるようになり、戦後の高度経済成長期においても比較的大きな額が輸出されています。しかし1990年以降は輸出額が減少し始め、現在の輸出額は全体の1%程度を占めるにすぎません。

【繊維品が輸出に占める割合(輸出額ベース)】

経済産業省「我が国繊維産業の現状(2021年11月)」より著者作成

繊維市場の縮小を受け、紡績会社の多くは事業の多角化を進めてきました。繊維以外の素材に手を広げるケースが定番ですが、工作機械や精密機械といった工業品や医療事業など、「糸」から離れた事業に進出するケースも少なくありません。

【主な紡績会社の事業セグメント】

 

出所:各社の決算短信

このようにさまざまな事業を展開する企業を「コングロマリット」と呼びます。事業ポートフォリオを分散させることで、企業全体の業績が安定することに期待できます。

しかし全体像の分かりにくさから、株価が上がりにくくなる「コングロマリット・ディスカウント」が存在するといわれ、アクティビストなどの投資家から事業の分離を迫られるケースも散見されます。