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日本の保険市場は競争の激しさや成長の鈍化が懸念されており、それに伴って日本の保険会社は海外M&Aを強めています。東京海上ホールディングスはその筆頭で、2015年6月10日には米HCCインシュアランス・ホールディングスを約9413億円で買収すると発表し大きな注目を集めました。これは日本の保険会社によるM&Aで最高額とみられています。
【保険会社の主な海外M&A】
東京海上ホールディングスは日本で初めて誕生した損害保険会社でもあります。今日は同社の海外進出について押さえてみましょう。
国内1位、世界でもトップクラスの損保グループ
東京海上ホールディングスが積極的に海外M&Aを仕掛けるようになったのは2008年のことです。イギリスのキルンを約1060億円で買収したほか、同じ年にアメリカのフィラデルフィアを約4987億円で買収しました。
その後も数千億円規模の大型買収を相次いで実施しており、主要な案件だけでも累計の買収額は2兆円を超えます。投資家もこれを評価したのか、株価は2007年末のおよそ2倍の水準にまで上昇しました(2023年4月末時点)。
【東京海上HDの主な海外M&Aと株価の推移(月足終値 2007年末=100)】
矢継ぎ早に海外M&Aを進めた結果、東京海上ホールディングスは世界でも指折りの保険グループへと成長しています。収入保険料や利益の水準は、他国の損保大手と比較しても引けを取りません。
【地域別、収入保険料ランキング(損害保険会社 2021年度)】
・日本:1位
・米国:12位
・イギリス:4位
・シンガポール:10位
・インド:13位
・ブラジル:7位
・タイ:4位
・マレーシア:7位
出所:東京海上ホールディングス 2022統合レポート
【利益上位10社(損害保険会社 2022年6月末時点)】
東京海上ホールディングスは、保険市場で世界最大の規模を持つアメリカや、今後の成長が見込める新興国を重要な地域と位置付けています。今後もこれらの地域で同社の大型M&Aが見られるかもしれません。
【東京海上ホールディングスの業績】
出所:東京海上ホールディングス 決算短信