誤送金した町はどうやって資金を回収したのか

先述の判決に5年の執行猶予が付された理由として、山口地方裁判所は既に被害の全額が補填されていることを挙げました。阿武町は、どうやって資金を回収したのでしょうか。

町は弁護士に依頼し、男性がオンラインカジノへ入金する際に利用したとみられる決済代行業者の口座を割り出し、2022年4月下旬から当該口座を差し押さえる法的手続きを進めました。その結果、町は決済代行業者から約4299万円の返還を受けたのです。

男性は税金を滞納しており、町はその徴収権などを使って決済代行業者に支払いを働き掛けたとみられています。また男性がデビットカードなどを使って出金していた約340万円も、町は2022年6月に法的に確保することに成功し、被害の全額を取り戻すことができました。