電気代が下がる?「再エネ賦課金」とは

エネルギー価格の高騰などから、2022年は電気代が大きく上昇しました。これを背景に、原子力発電を求める声も大きくなっているようです。

もっとも、今年度は電気代が少し安くなるかもしれません。経済産業省は2023年3月、2023年度の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(以下、再エネ賦課金)を1キロワット時あたり1.4円に設定すると発表しました。前年度比で2.05円の引き下げで、1カ月の電力使用量が400キロワット時の標準世帯では月に820円分電気料金が下がる計算です。

再エネ賦課金とは、「FIT(再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度)」に伴って発生する料金です。太陽光など再生可能エネルギーで発電された電気は決まった価格で買い取られる仕組みとなっており、その費用の一部が再エネ賦課金として電気料金に上乗せされています。

再エネ賦課金は、FITが始まった2012年から一貫して上昇してきました。当初は1キロワット時あたり0.22円でしたが、2022年度は同3.45円と、10年で15倍以上となっています。再エネ賦課金が引き下げられるのは、制度が始まって以来初めてです。

【再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移】

エネルギー情報センターおよび経済産業省より著者作成

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もっとも電力各社は値上げを申請しているため、トータルで電気料金が下がる保証はありません。岸田首相は厳格に審査するよう指示していますが、申請はエネルギー価格の高騰や円安を背景としており、いずれ値上げが実施される可能性があります。