投資のスタンス
株式の投資方針は、どの年齢層でも「概ね長期投資だが、ある程度値上がり益があれば売却する」の回答比が最も高く、全体でも50.5%がそのように答えています。ちなみに、この回答比が最も高い年齢層は、20代~30代の55.3%でした。
ただし、この回答比の高さは、投資家の大半が長期投資を指向しているとは言えないことを意味しています。なぜなら、「ある程度値上がり益があれば売却する」という条件が付されているからです。
「ある程度値上がり益があれば売却する」という条件の「ある程度」がどの程度を指すのかは、この調査では示されていません。しかし、例として「投資して1週間後に満足できる値上がり益が得られたら売却する」というふうに受け取ることも可能です。
さらに、「値上がり益重視であり、短期間に売却する」の全体の回答比である11.4%を加えると、全体で61.9%もの人が、値上がり益重視の投資スタンスを取っています。
つまり、これらの人たちは、株価の値動き次第では「長期投資を前提にしていながらも、短期間で売却する可能性もある」投資家であると考えられます。
それとは逆に、本当の意味での長期投資をしているのは、「配当・分配金・利子を重視している」と答えた人だと言えるでしょう。この回答比は全体で21.0%でした。
この手の長期投資のスタイルは、値上がり益よりもキャッシュフロー重視であり、配当政策に変化がない限り保有し続けるものと考えられます。
また、「配当・分配金・利子を重視している」と答えた人を年齢層別にみると、60~64歳までの回答比は20%を下回っているのですが、65~69歳が25.5%、70歳以上が24.2%というように、年齢層が上がるほど配当や分配金を重視していることが分かります。
仮に株式への投資金額が1000万円で、ポートフォリオ全体で年4%の配当利回りを実現すれば、それだけで年40万円の配当金が確保できます。公的年金+配当金で、毎月の生活水準をある程度底上げできるでしょう。