投資しない人が6割を占める日本

日本株式におけるバブル崩壊後の強い下落は、日本人に株式投資の恐怖を植え付けることとなりました。日本で投資がいまひとつ浸透しないのは、この記憶があるためだと指摘する声もあります。投資信託協会の調査では、全体の約56%で投資経験がありませんでした。アベノミクスやNISA(ニーサ)の影響で投資を始める人が増えたという報道も増えていますが、まだ少数派のようです。

【投資未経験者の割合】

投資信託協会「投資に関する1万人アンケート(1)―積立投資の実態と普及促進へのヒント―」より著者作成

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諸外国と比べても、日本の投資嫌いは深刻です。日本銀行の「資金循環の日米欧比較(2022年8月)」によると、家計に占める投資信託や株式といったリスク資産の比率は欧米を大きく下回りました。バブル後の安値を記録した2009年3月以降は日本株も含めおおむね順調に値上がりしましたが、多くの人はその恩恵を受けることができなかったようです。

【家計の金融資産構成】

日本銀行「資金循環の日米欧比較(2022年8月)」より著者作成

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