老後に必要なお金について、公益財団法人生命保険文化センターが行なった調査結果があります。参考までに見てみましょう(下図参照)。

出所:生活保障に関する調査・財団法人生命保険文化センター(令和元年12月発行)

これは全国18〜69歳の約4000人(うち40〜50代1848人、60代1003人)に、夫婦2人の老後の最低日常生活費(月額)を聞いたものです。20〜25万円未満と答えた人が最多ですが、15万円未満で十分という人や30万円以上必要と答えた人も一定数いるなど、人によってかなり違います。

また、ゆとりある生活費(月額)に関する結果も出ています。最多ゾーンは30〜35万円未満ですが、50万円以上ないとゆとりある生活はできないと答えた人も相応にいます。ちなみに、ゆとりある生活とは、旅行やレジャーに行ったり、趣味や教養にもお金が使え、充実した日常生活を送る、ことだそうです。

さて、ここまでお読みいただき、老後に必要なお金について、なんとなくイメージできたでしょうか?

おそらく、できない人のほうが多いと思います。無理もありません。

なぜなら、金融審議会が公表した「2000万円」にしても、生命保険文化センターの調査結果にしても、「単なる平均値」や「他人の例」だからです。参考程度に知っておくとしても、あなたの人生設計にはあまり関係がない金額だということです。