柔軟性+透明性が強み
ひふみプラスの資金を運用するひふみプラス投信マザーファンドは、国内を中心に市場価値が割安と考えられる世界中の大型株から超小型株に投資します。投資範囲が広く、その比率は現金も含めマーケットに応じ機動的に変更されてきました。運用を硬直させず、ファンドマネージャーが比較的大きな裁量を取って運用している様子がうかがえます。
【ひふみ投信マザーファンドの資産配分】
柔軟な運用は強みですが、投資家にとっては現在どのように運用されているか把握しづらくなる点はデメリットです。しかしひふみプラスの場合、透明性の高さを考えれば強く懸念する必要はないかもしれません。
ひふみプラスは月次レポートにおいて、当月の組入上位10銘柄だけでなく、2か月前時点の組入上位30銘柄まで開示しています。10銘柄を超えて具体的なポートフォリオを公開する投資信託は多くありません。
【ひふみ投信マザーファンドの組入上位10銘柄(2022年12月末)】
銘柄 | 比率 |
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アドバンテスト | 2.31% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2.25% |
東京海上ホールディングス | 2.04% |
第一生命ホールディングス | 1.89% |
日本電信電話 | 1.79% |
GMOペイメントゲートウェイ | 1.68% |
三井住友フィナンシャルグループ | 1.67% |
インターネットイニシアティブ | 1.60% |
ディスコ | 1.56% |
伊藤忠商事 | 1.56% |
また運用体制もオープンです。一般的な投資信託では、運用責任者の名前すら明かされないことも少なくありません。しかしひふみプラスの場合、運用責任者の藤野氏だけでなく、運用にかかわるメンバーの多くが開示されています。運用者の顔が見える点も、ひふみプラスの魅力の1つでしょう。
相場の状況に応じて投資対象を柔軟に変更するひふみプラスは、運用をプロに一任したいという個人投資家のニーズにかなうものです。その透明性も高く、安心して資金を預けられるのではないでしょうか。
もちろん、株式は比較的値動きが大きい資産であり、ひふみプラスにおいても大きな下落が生じる可能性があります。特にポートフォリオに占める小型株式の割合が大きくなると、ひふみプラスの値動きも大きくなりやすいでしょう。投資の際は目論見書に記載されるリスクを十分理解し、余裕資金で行うようにしてください。
【ひふみプラスの概要】
銘柄 | ひふみプラス |
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運用会社 | レオス・キャピタルワークス |
ファンドのタイプ | 内外株式型 |
設定日 | 2012年5月28日 |
信託期間 | 無期限 |
決算日 | 9月30日 |
受渡期間 | 5営業日 |
販売手数料(最大、税込み) | 3.3% |
信託報酬(全体、税込み) | 500億円以下の部分:1.078% 500億円超~1000億円以下の部分:0.968% 1000億円超の部分:0.858% |
信託報酬(販売会社、税込み) | 500億円以下の部分:0.5005% 500億円超~1000億円以下の部分:0.4455% 1000億円超の部分:0.3905% |
信託財産留保額 | なし |
主な販売会社 | イオン銀行 SMBC日興証券 東海東京証券 |
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。