設定来リターン340%超の人気ファンド
大手金融グループに属さない独立系として、レオス・キャピタルワークスほど成功している運用会社も少ないでしょう。その看板商品が「ひふみプラス」で、設定された2012年5月から2022年末まで、実に340%以上という大きなリターンを残しました。人気も高く、純資産総額は4600億円以上、資金の純流入も1年連続で起こっています(2022年末時点)。
【ひふみプラス】
ひふみプラスが人気銘柄となったのは、好成績だけが理由ではありません。同銘柄が資金を集めることとなった背景を探りましょう。
テレビの特集で純資産総額が5倍に
ひふみプラスの純資産総額は2017年に急増しています。年始ではおよそ900億円でしたが、年末までに5倍となる約4500億円にまで増加しました。そのきっかけはテレビ放送だとみられています。
2017年2月、テレビ東京系の『カンブリア宮殿』において、レオス・キャピタルワークスの代表取締役である藤野英人(ふじの・ひでと)氏が特集されました。氏の運用成績や哲学などを取り上げる内容で、多くの視聴者を惹きつけたことから、ひふみプラスの純資産総額を押し上げたと考えられます。
【ひふみプラスの純資産総額】
なお、藤野氏は2022年4月にひふみ投信マザーファンド(ひふみプラスのマザーファンド)の運用から離れていましたが、2023年1月から再びファンドマネージャーに復帰しています。
コロナショック時の采配も評価
ひふみプラスはコロナショック時に再び注目を集めました。
2020年2月に新型コロナウイルスで株式市場が世界的に急落する中、ひふみ投信マザーファンドは現金比率を30%以上に引き上げます(同月末時点)。前月末は0.7%だったことから、非常に大胆な転換でした。これが実を結び、ひふみプラスは翌月、TOPIX(配当込み)を3.5%以上も上回るパフォーマンスを残します。
この実績は、ファンドマネージャーの市場を見極める力を裏付けるエピソードとして語られるようになりました。ひふみプラスに資金が集まる理由の1つと考えられるでしょう。