原油高が続く23年も堅調な見通しに

ではMLPの23年の見通しをどうみているのか。フランクリン・テンプルトン・ジャパンのマーケット・レターによると「23年以降も安定的な増配の継続が予想される」。その理由として、MLPの構造改革が一巡したことによるMLPのキャッシュフロー改善に伴う増配が期待されると分析する。

さらに「米エネルギー情報局(EIA)によれば、世界的な原油在庫の減少(需給ひっ迫)を背景に2023年のWTI原油価格は80米ドル台での安定的な推移が見込まれる」ことから、米国のエネルギー業界は23年も追い風となり、川中のエネルギー事業を営む「MLPにも恩恵が及びそう」とも指摘する。

ただ、シェール開発には、環境破壊の指摘もある。フラッキングで使う化学物質による地下水汚染や汚染物質の処理問題、井戸から漏れる有害物質による大気汚染などがある。さらに採掘時に発生するメタンガスは温室効果が高く、世界的にトレンドとなっているカーボンニュートラルの推進とは逆の方向へ向かうことになる。ただ、足元ではロシアによるウクライナ侵攻侵攻など様々な影響により、米国のLNG輸出量は増えていき、MLP市場も堅調に推移すると見られる。