特におさえておきたい“資産形成”の項目

そして、この冊子で最もページ数を割いているのが、対策編の「資産形成を始めてみよう」です。この項目の説明だけで、8ページも使われています。

内容としては、支出を把握し、30歳までに100万円を貯めるのを目標に貯蓄をすること、「長期・積立・分散」の発想で投資をすること、そして積立投資にはつみたてNISAや確定拠出年金を活用すること、となっています。

冊子をさらに有効活用するために…

この冊子はあくまで初心者向けの内容なので、概略的なことしか書かれていません。読者は、特に次の3つの点について留意しておく必要があります。

1.投資信託の運用方法は自分で調べて身に付ける

この冊子で「先取り貯蓄」、すなわち自身が得た給料から生活に必要な経費を差し引き、残った分を貯蓄に回すのではなく、先に貯蓄したい額を差し引き、残った分で生活することが推奨されているのは、まさにその通りです。ただし、こうして蓄積されたお金を運用する点については、冊子に記載されている内容だけでは決して十分とは言えません。

運用に際しては「投資信託をうまく活用しよう」と説明がありますが、現状、国内で設定・運用されている投資信託は5888本もあり、そのなかから自分の負えるリスクに応じたファンドを選ぶ必要があります。しかし、どういう基準でファンドを選べば良いのかという点については、この冊子では言及されていないため、自分で知識を身に付けなければいけません。