それに、いくら相手が先生であっても、納得できないことがあれば、かなり反発していました。
あるとき、学校で突然「シャープペンシル禁止」というルールができました。理由は「授業中に分解する生徒がいて、授業に集中できていないから」。
おかしいと思った僕はハッキリと先生に言ってみた。「面白い授業をしている先生の前では、誰もシャーペンを分解していません。分解したくなるようなつまらない授業をするからいけないんじゃないですか」と。
その後、僕は職員室に呼び出されて、「反省しなさい」と怒られました。でも、なぜ反省しないといけないかわからなかったから謝りたくありませんでした。
すると、「立っていなさい」と言われ、しばらくするとまた「そろそろ反省したか?」と聞かれます。
僕は全然反省していなかったんだけど、毎週楽しみにしているピアノレッスンの時間が迫っていたから、「はい、反省しました」と言って解放されました。
大人と子どもの中間にいる君たちは、宙ぶらりんな存在だからこその苛立ちもたくさんあるはずです。子どもだって、大人の世界とやりくりするのは結構気を使うものなのだということが、自分の経験からもよくわかる。
君がほどよく折り合いをつけながら、あまり無理に自分を曲げることなく、しなやかにやり過ごしていくことを願っています。
14歳の自分に伝えたい「お金の話」
藤野英人 著
発行所 マガジンハウス
定価 1500円(税込み)