ネット証券はどうやって稼いでいる?

株式手数料まで無料となると、経営が少し心配になるかもしれません。ネット証券はどうやって収益を得ているのでしょうか。SBI証券が公開する決算短信を見ると、2022年3月期は以下のように収益を得ていました。

【SBI証券の業績の概要(2022年3月期)】
・受入手数料:764.51億円
・トレーディング損益:466.7億円
・金融収支:370.49億円

出所:SBI証券 2022年3月期決算短信

最も大きな割合を占めた「受入手数料」は、株式手数料や投資信託の代行手数料などで構成されています。ネット証券の手数料無料化は、主にこの収益を悪化させるでしょう。

従って、今後は残る「トレーディング損益」や「金融収支」がネット証券の主な収益源になると考えられます。前者はFXや外国債券の販売で得られるスプレッドなどから、後者は信用取引に伴う金利収入などから構成されます。

ただしFXも競合他社が多く、スプレッドには株式手数料同様に引き下げ圧力が働いてきました。その点を踏まえると、これからは金融収支がネット証券のメイン収益となるかもしれません。

【SBIホールディングスの業績】

※2023年3月期(予想)は、第2四半期時点で開示されていない

出所:SBIホールディングス 決算短信より

【SBIホールディングスの株価】

Investing.comより著者作成

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