毎朝5分だけ1面の「見出し」を眺める

そうはいっても、気乗りしない日もときにはあるでしょう。仕事や家事に追われる日々が続けば、「今日はいいかな」とつい自分に甘くなるのが人間の性です。

そういう時は思い切って休めばいいと思います。疲れた身体に鞭打って勉強する時間ほど不毛なものはありません。

ただ、それよりも簡単に勉強を継続するとっておきの方法があります。

勉強を楽しい時間になるように設計するのです。勉強が楽しくなれば継続できます。「当たり前だろ!」というツッコミを入れる前に、もう少しだけお付き合いください。

そもそも、趣味の勉強法ではなく、収入を増やすための勉強法の話をしているので、最初から楽しいとは限りません。でも、ほんのわずかな工夫で、退屈な勉強でも「なんだか楽しくなってきた」「今日も早く勉強したい」と思えるようになります。

具体的には、「小さな手ごたえ」を感じられるように設計してみてください。

たとえば、毎朝、『日経新聞』1面の「見出し」だけを眺めて、その中で気になる記事を1つだけでいいので本文を読んでみてください。所要時間はたったの5分程度です。これを2週間続けてみます。たったこれだけで、世の中のトレンドを把握できた気分になると思います。あくまで気分ですが。

2週間も続ければ、「今日はどんな記事が1面に掲載されているのかな」と、毎朝、新聞が届くのが楽しみになります。

ポイントは、最初から全面を読もうとしないこと。1面の記事もすべて読む必要はありません。最初は、「1面だけを眺めて、1記事だけ中身を読む」これだけです。

なぜ、それだけでいいのか。

新聞の1面、とくに『日経新聞』は、会議や打合せで、話題にあがることが多いからです。ビジネスシーンのどこかで「あっ! 役に立った!」「読んでおいてよかった」という瞬間は必ず訪れます。この“やった!”という「小さな手ごたえ」を原動力にして勉強を続ければいいのです。

この感情を一度でも体感できた人は、その先もこの手法で新しいことを面白いように吸収できます。

受験生時代、苦手な科目でも、毎日コツコツ暗記していくと知らぬ間にどんどん知識が蓄積され、テストでいい点数をとれるようになり、その瞬間に嫌いだった科目が得意科目に変わるといった経験をされた人もいるでしょう。

社会人の勉強も同じです。地道にインプットした成果を実感する機会を創出すればいいのです。