3. 伸ばして、縮めて……足指ゴルフボールで転倒しらず

ダイニングテーブルの下のぼくの足元には、いつもゴルフボールが4つも5つも転がっています。ごはんやおやつを食べながら、食後に瑤子さんとおしゃべりしながら、あるいはテレビを見ながら、ゴルフボールを5本の足指でつかんでギューッと握るのを習慣にしています。これも、ぼくなりの健康法のひとつです。

ゴルフボールはけっこう滑ります。そやから、最初のうちは往生しました。やっとつかめたと思っても、すぐに落ちてしまって、握れまへんのや。
どうやら、ぼくの足指の筋肉はよほど弱っていたらしいですな。

ぼくたち現代人は、1日に何時間も靴を履いてすごしているために、足の指は縮こまりっぱなしで、足指の筋肉は衰えるばかりだそうです。

いろいろな本によると、足指の筋肉が弱っていては、大地をしっかりと踏みしめて歩くこともできないし、よく言われる、かかとから着地して、つま先で蹴り上げる「正しい歩き方」もむずかしいらしい。ペタペタ歩きになって転倒しやすくもなるそうです。

そこで、足指の筋肉の鍛錬のために、食事の時間やテレビを見る時間などを利用して、テーブルの下のゴルフボールを足の指で握るようになったというわけです。

今では足指でゴルフボールをギュッと握って、持ち上げることもできるようになりました。足指に筋肉がしっかりついてきた証拠ですな。そうしたら、うれしいことに、蹲踞をするのがラクになったのです。しかも、足のむくみがかなり改善された。足の指を動かすことで、滞っていた血液が流れるようになったためかもしれません。

瑤子さんは足の指を使って、「グーチョキパー」ができます。足の指の筋肉が発達していて、よく動くんですな。ぼくもゴルフボールのエクササイズで早いとこ、瑤子さんに追いつきたいもんです。

『崑ちゃん90歳 今が一番、健康です!』

大村崑著
発行所 青春出版社
定価 1400円+税