金融市場を揺るがす民族問題

カタルーニャのような民族問題は世界中に存在します。イギリスの北アイルランド問題や中国の香港独立運動など、異なる文化圏を組み込んだ国の多くが独立問題に直面してきました。

2022年2月に表面化したロシア・ウクライナ問題も、民族問題の1つです。ウクライナは1654年にポーランドとの戦争のためロシアから一時的に保護を受けますが、ロシアはウクライナに対する支配を徐々に強めます。ウクライナは「ポルタヴァの戦い(1709年)」や「ウクライナ・ソビエト戦争(1917-1921年)」などでロシアからの独立を目指しますが失敗し、ソ連が崩壊した1991年にやっと独立できました。

しかし時を越えて現在、ロシアはウクライナへ侵攻し、武力衝突に発展します。市場は動揺し、特に原油や小麦などの商品価格が高騰しました。これらは世界的なインフレを引き起こした要因の1つと考えられています。

【原油先物と小麦先物の日足(2022年1月~9月、年始を100とした場合)】

Investing.comより著者作成

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執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。