下落相場で顕著になる「損をしたくない」という心理

最後にもうひとつ、「投資をしない理由」についても、考えてみたいと思います。
投資をしない理由で最も多かった回答が「資金が減るのがいやだから」の42%でした。
以下、次のようになります。

「何をすればよいのか分からないから」・・・・・・38%
「色々勉強しなければならないから」・・・・・・・34%
「投資するだけのまとまった資金が無いから」・・・29%
「手続きが面倒だから」・・・・・・・・・・・・・20%

以上のうち、「何をすればよいのか分からないから」という回答については、特に今年に入ってからはマーケット環境が一気に悪化したのと関係がありそうです。昨年までは超金融緩和を受けて国内外の株価が堅調に推移していましたから、日本株や外国株式への投資でリターンが得られましたが、今年は年初から世界的な金融引き締めのなかで、株価が大きく崩れました。本来なら、こういう時こそ株式投資のチャンスとも言えるのですが、初めて投資をする人たちにとっては、この下げ相場では動きにくいところがあるのでしょう。

ちなみに相変わらず「色々勉強しなければならないから」、「投資するだけのまとまった資金が無いから」と答える人もいますが、本気で投資を学ぼうとしたら覚えることは山のようにあります。それを勉強してから投資を始めるとしたら、恐らく3年、5年とかかるでしょう。少額資金でも良いので投資をスタートさせ、学ぶよりも慣れる方が大事だと思います。

また、「投資するだけのまとまった資金が無いから」という答えも、投資をしない理由で必ず挙がってきますが、今は投資信託など少額資金で始められるものはたくさんありますので、これは理由にならないことを最後に付け加えておきます。