フィデリティ・インスティテュート首席研究員の浦田春河氏によってまとめられた「2022年フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート」が公表されています。今回は「コロナ禍を経験した人々の投資行動に関して、金融情報の入手ルートのトレンドや職域マネー教育の実施状況と関連して分析を試みた」ということで、「お金に関する情報入手ルートと職域でのマネー教育」、「投資行動」、「NISA、iDeCo」、「公的年金と老後資金の準備」、「ウェルビーイング」という5つのコンテンツに分けて、1万人のビジネスパーソンを対象に行ったアンケート調査結果です。総ページ数84ページの大作なので、ここですべてを紹介することは出来ませんが、気になった結果をいくつか取り上げます。詳細は是非、このアンケートに目を通してみて下さい。

男女で異なる「お金」の情報の取得の違いとは?

まず、「お金に関する情報の入手経路」については、「特に情報は入手していない」が男性37%、女性38%でトップでした。それはそれで問題ですが、その次が「SNS、ブログ、YouTubeなど」を情報源にしている人が多く、男性が28%、女性が30%で、男女とも他の情報媒体に比べて高水準になっています。

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傾向としてちょっと面白いと思ったのが、男性はメディアや金融機関の情報を頼りにしているのに対し、女性は身近な人の評価を頼りにしている傾向が見られる点です。たとえば「TVの情報番組、コマーシャル」は男性が25%で女性が24%、「雑誌の特集・広告」は男性が13%で女性が9%、「新聞記事、広告」は男性が17%で女性が11%、そして「金融機関の担当者、セミナーやウェブサイト」は男性が15%で女性が12%、というように、男性優位の結果になっています。

対して、「SNS、ブログ、YouTubeなど」は男性が28%で女性が30%、「職場の同僚、知人」は男性が10%で女性が13%、「家族」は男性が8%で女性が13%、というように、こちらは女性優位の結果となりました。

ただ、情報の入手先として注意が必要なのは、やはり「SNS、ブログ、YouTubeなど」でしょう。これらSNSを通じての情報発信には何の規制もなく、特にYouTubeなどは、単なるPV稼ぎを目的として、ややセンセーショナルな情報を流している人も見受けられます。

この手のネット媒体は、詐欺的業者の入る余地が大きい点にも注意が必要です。ここ最近、「貯蓄から資産形成へ」という流れが期待されるなかで、詐欺的な投資情報商材を販売している業者が増えています。

しかも、こういった詐欺的販売業者が、子会社を通じて投資情報を扱うネットメディアを立ち上げ、マスメディアに登場しているFPに情報発信をさせているケースがあります。FPが詐欺的情報商材の信用を補完させる道具として使われていることがあるのです。

もちろん、一番悪いのは、自分たちの正体を隠して話を持ち掛けてくる詐欺的販売業者ですが、どういう類の媒体なのかをしっかり調べず、メディアに自分の名前が載ることへの自己満足感で仕事を引き受けるようなFPも同罪ではないでしょうか。