20代の生命保険、サブスク、長期住宅ローン…。費用対効果を見直すべき出費がある

ただ、金融教育をそのまま投資教育に直結させるのは、いささか危険です。もちろん、投資について理解を深めることは大事ですが、それは金融教育のなかの一部に過ぎません。資産を増やすことはもちろん大事ですが、それと同時に、せっかく働いて稼いだお金を無駄に使わない、あるいは悪徳業者にだまし取られないためのリテラシーを身につけることも大事です。

たとえば、若い人が生命保険に加入する意味はあるのでしょうか。「価格.comリサーチ」が2017年に行った生命保険についてのアンケートによると、20代の46.3%が生命保険に加入しており、その理由の一番が「社会人になったから」というものでした。

でも、年齢階層別に1年間で亡くなった日との割合を見ると、20歳の男性が0.040%で、女性は0.021%に過ぎません。40歳でも、男性が0.094%で、女性は0.058%です。たったこの程度のリスクに怯えて、毎月1万円超の保険料を払うことが、果たして合理的なのかどうかを考える必要はあるでしょう。

「月々の支払金額が大したことないので」という理由で、つい使ってしまいがちなのが、サブスクリプション型のサービスです。最近では、映画や音楽などのコンテンツだけでなく、洋服やアクセサリー、バッグ、食品、飲料、自動車など、実にさまざまなものがサブスクリプション型のサービスとして提供されています。

「初月会費無料」とか、「新規加入でポイント加算」といった誘い水でお得感を醸成していますが、だからといって次から次に加入していったら、1カ月の支払い金額は結構まとまったものになるはずです。だからこそ、自分にとって本当に必要なサービスは何か、その費用対効果は納得できるものなのかをしっかり考えたうえで、加入する必要があります。

持ち家も、本当に長期間のローンを払い続けてまで購入するメリットがあるのでしょうか。どうしても欲しいのであれば、新築物件ではなく、ある程度、築浅の中古物件を探すという選択肢はないのでしょうか。いずれ子供は離れていくのに、家族数がピークの時に合わせて家を購入しても、老後は大きな家に老夫婦で生活することになり、不便で仕方がないという声も、よく聞きます。