「老後の備えは自分で作らなくてはいけない」そんな危機感がコロナ禍でさらに膨らみ、投資を始める人が増えている。しかし、そうはいっても奥深いのが投資の世界。慣れれば慣れるほど疑問や不測の事態に直面することも増えてくる。
そこで、この連載では「資産形成3年目だからこそ知りたい」用語や投資情報を解説する。第9回は「株主になること」がテーマ。会社に出資することで得られる恩恵や、株主が持つ権利について確認していこう。
株主とは、会社のオーナー
株式の購入を通して、企業に出資する人を株主という。株主には、出資の見返りとして企業からさまざまな権利が与えられる。
というと、「株主優待」を思い浮かべる人もいるかもしれない。しかし、株主優待は主に自社の製品やサービスを株主にプレゼントする“特典”にすぎない。
株主の権利の本質は、株主総会に参加して議決権を行使するなど、企業の経営に関わること、つまり会社のオーナーのひとりになることといえる。
では、株主になるとどのようなことができるのか?
まず、株主の立場や権利は「会社法」という会社の設立や運営などのルールを定めた法律によって保障されている。基本的に株主が持つ権利の大きさは、保有する株式の数、つまり出資金額の大きさに比例している。
そして株主の権利には、大きく分けて「自益権」と「共益権」の2種類がある。それぞれ簡単にチェックしていこう。