プランで国はどう動く? 現時点で考えられる政策
これほどのシフトが必要となると、思い切った策が急務となる。では、今後政府からどのような政策が打たれる可能性があるのだろうか。先述の「骨太の方針」には以下の方向性が記載されている。
・NISA(少額投資非課税制度)の抜本的な拡充
・iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革
・金融リテラシー向上を目指した金融教育の充実
・将来受給可能な年金額等の「見える化」
上記の方針の中でも特に大きな話題になっているのは、NISA、iDeCoの拡充だ。「令和2年度税制改正」による制度変更により、すでに一般NISAの投資可能期間は2028年まで、つみたてNISAは2042年までとそれぞれ延長されることは決定している。しかし、まだ期間限定である状況に変わりはない。これに対して、2022年5月には自民党金融調査会が岸田首相にNISAの恒久化を提言している。
iDecoに関しても、5月に従来60歳未満であった加入可能年齢が65歳未満に引き上げられた。今後は、就労年齢の延長とともに、さらに70歳まで引き上げられる可能性も考えられる。
「資産所得倍増プラン」に対し、金融庁も動き出した!
「資産所得倍増プラン」に対し、金融庁も動き出した。2023年度税制改正要望で、NISA(少額投資非課税制度)の恒久化と非課税期間の無期限化を求める方針を固めた。その内容は、以下の図の通りである。
先述の通り、NISA の投資可能期間は延長が決定されているものの、“有限”であることは変わりなかったため、開始時期が遅くなればなるほど非課税枠が少なくなるのがネックだった。これを受け、金融庁は制度の恒久化や非課税期間の無期限化を求めることにしたと考えられる。
現行制度では一般NISA、つみたてNISAに加え、未成年向けのジュニアNISAと、3つの種類があるNISA。ジュニアNISAは2023年で制度を終えるが、つみたてNISAを未成年でも利用できる内容に変更して受け皿とする予定だ。