コロナ禍の影響もあり、自身の働き方について見直している人は多いはず。

葉山と箱根を拠点に世界中を旅しながら、好きな仕事をする――多くの人が憧れる“理想の働き方”を体現している、LUMIERE(ルミエール)代表取締役・長谷川エレナ朋美氏は「クリエイティブに働く」ことこそが理想の働き方、ひいては理想の暮らしを叶えるためのカギだと言います。

では、長谷川氏は実際にどんなマインドでどのように行動してきたのでしょうか。その秘訣が『一生お金に困らないクリエイティブな働き方』(廣済堂出版)に綴られています。今回は特別にその一部を公開します(全4回)。

●第3回を読む

※本稿は長谷川エレナ朋美『一生お金に困らないクリエイティブな働き方』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

情熱がお金を引き寄せるクラファン

学生さんや主婦の方など、「やりたいことはあるのに、お金がない……」という方にとって、クラウドファンディング(以下クラファン)は、じつに理にかなった素晴らしい仕組みです。

これまでなら、ビジネスを始めたければお金を融資してもらうために、投資家の方や銀行へ出向くのが必須でした。しかも運よく融資してもらえたとしても、そのビジネスに本当にお客さまがつくのかは始まってみなければわかりません。

しかし、クラファンであれば「こんなことがしたい」と発信し、応援者を募ることによって、すぐにお金を集められます。

その上、お金の集まり方を見ればそのビジネスに需要があるかどうかがひと目でわかります。あまりお金が集まらなければ、そのビジネスはあまり需要がないか、もしくは伝え方がよくないのでしょう。いずれにせよ、改善点が見えるわけです。

さらに、クラファンのいいところは「過程」を見せられるので、ファンがつきやすいということ。スーパーで買った野菜を食べるよりも、自分で手をかけて育てた野菜を食べるときのほうが、満足感がありますよね。それと同じです。

私の知りあいに、クラファンの使い方がすごく上手だなと思った方がいます。それは、葉山で『海と森と』という、素敵なヒーリングサロンを営んでいらっしゃるセラピストのMさんです。

あるとき、「もっと素敵なサロンにするために、店内をリノベーションしたい」と思われたMさん。しかし、理想どおりにつくり替えるためには予算が足りなかったそうです。

そこで、Mさんはクラファンを利用されました。「もっともっと皆さんにとって居心地のいい空間にしたい」「もっとサロンのことを知ってほしい」と、サロンにかける思いを熱く訴え、「床のリニューアル」「壁のリニューアル」などの未来像を具体的に示したのです。

Mさんは、特別に有名な方というわけではありませんが、結果的にクラファンは大成功。目標金額の100万円をはるかに超える158万円が集まりました。支援者の数にいたっては、132人にものぼったのです!(私も支援させていただきました)

もちろん、クラファンですから支払ったお金に応じて、支援者はリターンが得られます。そのリターンが、植物のヘナを使った仙骨ヒーリングや、クレイバス付きのデイスパメニューなど、素敵だったことも成功した理由のひとつでしょう。でも、それ以上に支援者を動かしたのはMさんの情熱のこもった発信に他ならないと思っています。

Mさんは支援者の一人ひとりに「ありがとうございます」とメッセージを送ったり、インスタグラムのストーリーを通じて「今、新たな支援をいただきました! 本当にありがとうございます」とリアルタイムでクラファンの動向や感謝の気持ちを伝えたりされていました。それを目にした多くの方が、「このあとはどうなるんだろう」と気になったり、「Mさんを応援したい」と強く思ったりしたはずです。

お金を集める仕組みだけれど、ビジネスプランだけの勝負ではなく、情熱がお金を引き寄せるクラファン。自分の思いで動くクリエイティブな働き方に、とても相性のいい仕組みだと思います。