日本は食品ロス大国 ロスする食品を減らすだけで節約になる

本来、大前提としてやらなければいけないのは「払わなくていいお金」を払っていないか見直すことだ。節税などもそうで、サラリーマンは今まで面倒だと思ってやらなかった年末調整で申告すべき経費がないか、この際きちんと見直してみてはいかがだろうか。携帯電話などは格安SIMや格安スマホでも、サービス内容が大手電話会社と遜色なくなってきている。家族全員のプラン見直しも検討してみる価値はある。

そして、なによりも、なるべく物を安くお得に買おうとする前に、「お金を払うものを減らす」ことが大切だ。なぜなら、買っても使わないで捨ててしまうとしたら、それは「ゴミ」を購入していることと同じだからだ。

実は日本の食品ロスの半分は家庭から出ているということをご存じだろうか? 原因のほとんどは自炊における「作り過ぎ」だそうだ。節約以前に、日本の平均的な家庭では、そもそも食材を必要以上に買い込んでいる部分がある。日本の家庭での食品ロスは令和元年度で推計261万トン。食材を買っても無駄にして食べないのだとしたら、261万トン×価格をそのまま捨てているのと同じ。さらに、生ゴミというのは燃えにくいので、自治体の焼却炉では石油をかけて燃やしているそうだ。これだけ原油高が続けば、いずれ焼却のコストも住民税などの税金にはねかえってくるかもしれない。もちろん、CO2排出の面で環境に悪影響なのは言うまでもない。
※参照:『捨てられる食べものたち』井出留美著(旬報社)

デフレ基調の中、私たちはあまりに「安いものを買い、不要なら捨てる」という生活を続け過ぎたのではないだろうか。100円ショップやファストファッションは便利でお得に見えるが、その100円、その1000円を今使う必要があるのか?という検討も必要だ。耐久財や長く使うものならきちんとしたコストを支払うほうがおトクなこともある。さらに将来の世代が背負う「廃棄のコスト」も意識しておきたい。