「変わったやつが欲しい!」方におすすめのユニークなETF

ETFは指数に連動するよう運用されるため「面白みがない」と思う人もいるかもしれません。しかしETFが参照する指数の中にはユニークなものもあります。人と違った投資をしたい場合はそのようなETFに投資してみてはいかがでしょうか。

例えば「MAXIS日本株高配当70マーケットニュートラル上場投信」は「野村日本株高配当70マーケットニュートラル指数」への連動を目指すETFです。

マーケットニュートラルとは一般に(1)値上がりが期待される銘柄への買いと(2)市場全体への売りを同時に仕掛ける戦略をいいます。市場全体の影響は(2)で打ち消されるため、(1)の銘柄が絶対的に値下がりしても市場全体に対して相対的に上がりさえすれば利益の獲得が可能です。

野村日本株高配当70マーケットニュートラル指数は(1)日本の高配当株式への買いと(2)TOPIX先物の売りを同時に行う場合のパフォーマンスを表す指数です。日本の高配当株式がTOPIXに対して相対的に値上がりすれば利益を得られるでしょう。

新しく上場したETFにも少し変わったものがあります。「iシェアーズ気候リスク調整世界国債ETF(除く日本・為替ヘッジあり)」は「FTSEアドバンスト気候リスク調整世界国債インデックス(除く日本、国内投信用、円ヘッジ・円ベース)」への連動を目指すETFで、5月25日に上場しました。

この指数は「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」をベースにしており、世界の国債に為替ヘッジをかけて投資した場合のパフォーマンスを表します。ただし構成比はオリジナルから調整されており、気候リスクが小さい国ほど比率を引き上げ、反対に気候リスクが大きい国の比率は引き下げています。

端的にいえば「気候リスクが大きい国の国債にはあまり投資しません」というメッセージが込められている指数で、この銘柄は日本初の債券ESG(※)ETFとなりました。資産運用にサステナブルの要素を取り入れたい人は投資してみてはいかがでしょうか。

※ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。