かつての運用会社は証券系の子会社が当たり前だった歴史
日本には投資信託を運用する多数の投資信託会社があります。不動産投資信託(J-REIT)などの投資法人を除き、公募型投資信託を設定・運用している投資信託会社の数を調べると、2022年2月末現在で86社あります。
かつて、今から30年ほど前の投資信託業界は、全社が証券会社の子会社でした。ざっと挙げると、以下のようになっていました。
野村証券=野村投信
日興証券=日興投信
大和証券=大和投信
山一證券=山一投信
国際証券=国際投信
新日本証券=太陽投信
和光証券=新和光投信
三洋証券=三洋投信
日本勧業角丸証券=朝日投信
岡三証券=日本投信
東京証券=東京投信
コスモ証券=コスモ投信
第一證券=第一投信
ユニバーサル証券=ユニバーサル投信
太平洋証券=太平洋投信
東洋証券=東洋投信
ちなみに証券会社も、投資信託会社も、社名はすべて1992年頃のものです。「懐かしい」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。とはいえ、その後、長く続いた証券市場の低迷、金融業界そのものの大再編の流れを受けて、ここに挙げた投資信託会社、そして証券会社の多くが合併したり、経営破綻したりしました。結果、ほとんどの投資信託会社、証券会社の社名は、見かけなくなりました。
このうち、今も旧証券会社を親会社としている投資信託会社は、野村證券系の野村アセットマネジメント、大和証券系の大和アセットマネジメント、岡三証券系の岡三アセットマネジメントの3社のみになりました。その他はすべて銀行系、保険会社系、外資系、独立系になります。社数で比較すると、圧倒的に新規参入組、あるは業界再編組が多数になります。前述したように、現時点で投資信託会社の数は86社ですから、3対83ということです。