“雪印ブランド”を回復させた取り組み

雪印グループは2000年にも食中毒事件を起こしていたこともあり、事件から信用が失墜します。同社のお客さまセンターには事件後、月に1万件もの問い合わせが寄せられました。

これを受け雪印グループはブランドの復活を目指し「新再建計画」を打ち出します。コーポレートガバナンスや品質保証などを策定し再発防止を目指したものです。消費者や生産者からの意見も集め企業体質の改善に努めました。

取り組みが実ったのか雪印グループの業績は回復に向かいます。新再建計画には具体的な財務目標も盛り込まれましたが、2005年9月に半年間の前倒しで達成しました。

【雪印グループの新再建計画における財務目標】
・2003年度の黒字化(2003年度に達成)
・2005年度の未処理損失一掃(2004年度に達成)
・2006年度決算における復配(2006年度に達成)

雪印グループの中核を担っていた雪印乳業は2009年に同業の日本ミルクコミュニティと経営統合し「雪印メグミルク」として生まれ変わります。これにより事件後に失っていた市乳事業(牛乳などの製造販売)をグループに取り戻し、今日では6000億円以上の売上高を持つ大手乳製品メーカーとなりました。

【大手乳製品メーカーの売上高】
・明治ホールディングス:1兆1917.65億円
・雪印メグミルク:6151.86億円
・森永乳業:5835.50億円
・ヤクルト本社:3857.06億円

※いずれも2021年3月期