「人生100年時代」と言われるようになり、資産運用に対する注目が高まっています。しかし、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)であり、フィナンシャルクリエイトの代表取締役でもある髙塚大弘氏によると、「資産運用だけに注目すると、うまくいかないことがある」と言うのです。人生100年時代にどんなことを考えておくべきなのか、これからの人生を生き抜くポイントをシリーズで髙塚さんに解説していただきます。

※この記事は、2022年3月に実施したフィナシーセミナー「中立的なお金のコーチが教える、貯まる&増える家計講座 ~第1回 人生100年時代の家計管理術~」をダイジェストにして記事化したものです。

「気を見て森を見ず」にならないように

資産運用相談を受けていると、よく次のような質問を受けます。

 

「余裕資金1000万円ほどを投資にまわしているんですが、現状分析と、もっと良い投資があれば教えてください」。

もし実際、金融機関にこの質問をしたら、おそらくさまざまな商品を勧められることになるでしょう。それが悪いというわけではありませんが、私の場合はこのような相談を受けたとき、「これだけの情報では何がお勧めか言えません」とお答えしています。なぜなら資産運用は数多くあるソリューションの1つでしかなく、これだけの情報をもとに話しても「木を見て森を見ず」になってしまうからです。

人生100年時代、まずはそもそも老後をどうしたいかが問題です。60歳以降のキャッシュフローを分析して、どれくらいお金が残るのかを把握する。その上で足りないところがあれば、それを補うために初めて資産運用を考えるべきでしょう。