コロナ禍で増大した新たな孤立感に悩むミドル

コロナ禍ではリモートワークが拡大した。若い世代は新しい時代の流れに適応しやすいが、40~50代ともなると、従来からの対面での業務運営から脱しきれずにストレスを抱える人が増えるようだ。

東京都健康長寿医療センター研究所が、15~79歳の全国約3万人の男女を対象に、コロナ禍のせいで孤立感を感じたか否かを調査した。2021年の調査によると、40~50代では40代が25.7%、50代が25.3%と約4分の1が孤立感を持ったとする。しかも、前年の2020年の調査からそれぞれ約10%も増加している。

テクノロジーの急速な発展、若い部下の価値観の多様化、中間管理職としての上と下からの期待感の中での焦燥感など、数々の課題を解決するには、従来通り顔と顔を突き合わせて本音での業務を運営したい……。しかし、顔を合わせることもままならない現実に、ストレスがたまる一方のミドルは多いようだ。

ストレスを感じるのは、職場に限らない。家庭内での仕事が増加し、家族としょっちゅう顔を突き合わせる環境となり、子供への対応にも気を配らなくてはならない。

企業によると、家庭でも職場でもない、サードプレイスの設置に取り組むところも出てきた。職場外にコワーキングスペースを用意したり、喫茶店などでの仕事をバックアップしたりする企業もある。

ヤフーでは、全国どこで仕事をしてもいいとする画期的な方針を打ち出した。郷里に帰って仕事をしたり、あるいは生まれ育った都心から離れ、地方に家を建てることで生活基盤を移し、新天地で仕事に精を出す人も現れるだろう。地方で仕事をしながら、近隣の人たちとの交流でストレスの発散がスムーズになり、仕事の効率が上がるかもしれない。