コロナ禍において自宅で過ごす時間が増え、ペットを飼う人も増えています。しかしそれに乗じて悪質なペットビジネスに遭ってしまうケースも増加しており、注意が必要です。
ペットの悪質商法としては「ペットを飼うときのトラブル」と「ペットを譲るときのトラブル」の2種類があります。今回は第1回目として「ペットを飼うときの詐欺」の事例をご紹介します。
これからペットを飼いたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
田城さん(30代女性)の場合
田城さん(仮名、30代女性)は夫と娘(小学2年生)の3人暮らしです。コロナ禍で夫が在宅勤務するようになり、家族一緒に家で過ごす時間も増えました。そこで、家族で話し合い「室内で飼えるかわいい犬を迎え入れたい」ということに。
田城さんたち家族は「ミニチュア・ダックスフント」が欲しかったのですが、ペットショップに行くと何十万円もして高額です。また「できればペットショップで売られている犬よりも、飼い主が見つからない犬の里親になる方がよいのではないか」と考えました。
そこでいくつかの里親サイトに登録し、家族として迎え入れられるようなミニチュア・ダックスフントを探すことにしました。
携帯電話に連絡が
ある日、田城さんの携帯電話に「ペットの譲渡を行っている」という業者から電話がかかってきました。
話を聞くと、登録したサイトの1つを運営している業者のようでした。担当者は以下のようなことを言ってきました。
「当会は、飼い主の見つからない犬の里親を見つけて新しい家族を見つけてあげるための活動をしています」
「ペットショップと違い、営利は主目的ではないので費用はとても安いです」
「当会を介して引き取ってもらうと、行き先のないワンちゃんの新しい家族になってもらえるので、動物の命を救うことにもつながります」
「ペットショップでは30~60万円くらいする子犬が、当会であれば4万円程度でお譲りできます」
「ペットの安全を期するため、引き取りの際には誓約書を書いてもらっています」
田城さんが「写真や動画を見たい」と希望すると、とてもかわいらしくて田城さんたち家族が理想としていたようなミニチュア・ダックスフントの赤ちゃんの動画と数枚の写真が送られてきました。
田城さんたち家族はすっかり魅了されてしまい、「子犬のためにもなるし、ペットショップと比べてとても安く飼えるのも魅力的」「ぜひ譲ってもらおう」と考えて、業者へ4万円を振り込みました。