2022年2月、三井住友信託銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「ジパング企業債ファンド」の概要

三井住友信託銀行の2月ランキング1位は、「ジパング企業債ファンド」だった。同ファンドは、ジパング企業(日本企業や日本企業の海外子会社)が発行する普通社債や劣後債などに投資。円建てだけでなく利回り向上のため外国債券も組み入れているが、対円で為替ヘッジをしている。同ファンドの2月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月  -1.13%
3カ月  -1.69%
6カ月  -1.61%
1年         1.06%

米国や欧州でインフレ率が高まり、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)による利上げ観測が高まったことから長期金利が上昇。グローバル社債の利回りも上昇したことから、同ファンドの基準価額はマイナスとなった。ただ、株式市場が大きく下落していることから、比較的安全な債券に投資する同ファンドに資金が集まったと考えられる。3月になっても株式市場は不安定な状況が続いているので、来月も同ファンドが三井住友信託銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。

全体を見て:「世界経済インデックスファンド」が3位にランクイン

3位に「世界経済インデックスファンド」がランクインしている。同ファンドは、先進国および新興国の公社債、および株式に分散投資するバランスファンドで、1月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月  -3.31%
3カ月  -2.96%
6カ月      0.27%
1年         8.50%

2月も同ファンドの基準価額は下落し、28日の基準価額は27,671円と1月末の28,006円から335円(1.2%)下がった。株式50%、債券50%の比率で株式のみのファンドよりリスクは抑えられているものの、金利上昇懸念から株式、債券とも売られる展開が続いている。3月に入っても不安定なマーケット環境が続いているが、引き続き同ファンドへの資金流入が続くかどうかに注目だ。