2022年2月、auカブコム証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の概要

auカブコム証券の2月販売金額ランキング1位は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。同ファンドはS&P500種株価指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。S&P500種株価指数は、2022年になって上値の重い展開となっている。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測によって長期金利が上昇していることや、ウクライナ情勢が緊迫化しているからだ。1月のS&P500種株価指数は7.1%下落したが、2月も3.2%のマイナスとなり、2020年10月以来の2カ月連続安となった。ただ、同ファンドには高水準の資金流入が続いており、2月10日には純資産残高が1兆円を突破。国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中で3番目のファンドとなり、インデックスファンドでは最大の純資産残高となった。基準価額の下落によって2月末の純資産残高は1兆円の大台を割り込んだものの、3月も引き続き高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

全体を見て:S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気

1位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と5位の「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。5位の「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、バンガードが運用を行う「バンガード・S&P500ETF」実質的な主要投資対象としている。「SBI・V」シリーズは業界最低水準の手数料(信託報酬)を目指すインデックスファンドで、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は2019年9月26日に設定。2月末時点における純資産残高は4,675億円と大きなファンドになった。「SBI・V」シリーズは2021年6月に「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」と「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」を新規設定、さらに2022年1月に「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」を新規設定してシリーズ4本の品揃えとなった。低コストのインデックスファンド・シリーズとしては「eMAXIS Slim」シリーズが有名で、同シリーズの純資産残高の合計は2兆円を突破している。今後、「SBI・V」シリーズもどこまで純資産残高を増やしていくかに注目だ。